前頭葉損傷では、実行機能つまり「目標を立てる・計画する・順序立てる・注意を切り替える・衝動を抑える・行動を自己監視する」といった働きが障害されやすくなります。
簡潔に言うと、次のような変化がみられます。
- 計画性の低下:段取りを立てられない
- 柔軟性の低下:やり方を変えられず、同じ失敗を繰り返す
- 抑制の低下:思ったことをすぐ言う・衝動的に行動する
- 注意配分の困難:複数のことを同時に整理できない
- 自己監視の低下:自分のミスや不適切さに気づきにくい
- 開始・維持の困難:やるべきことを始められない、続けられない
その結果、記憶や知能が一見保たれていても、日常生活や仕事で「うまくこなせない」ことがあります。たとえば、料理の手順が組めない、約束の優先順位をつけられない、感情的になりやすい、などです。
前頭葉の部位によって傾向も異なり、
- 背外側前頭前野:計画・ワーキングメモリ・問題解決の障害
- 眼窩前頭皮質:脱抑制、社会的に不適切な行動
- 内側前頭部:無気力、発動性低下
これはあくまで神経心理学的な一般論で、実際の症状は損傷部位・広がり・回復段階で大きく異なります。


